新型コロナで派遣切りが始まった業種は?派遣営業マンが語る実態

ノウハウ

こんにちはバイスです。

新型コロナウイルスの影響で「派遣切り」が始まっています。
派遣法改正による「同一労働同一賃金」と相まって、派遣先はかなり厳しい状況なのでしょう。

ごく稀に、売上を伸ばしている業種がありますが、例えば衛生用品を扱っている物流倉庫(3PL企業)や冷凍食品メーカーなど。
こういった特需を除いては、ほとんどの業種で業績悪化による「派遣切り」のリスクがあると思っています。

今回は、当社が取引している中で契約終了や出勤調整が始まっている業種について書いています。
※本記事はすべて2020年3月下旬時点の状況です

本記事を読んで得られるメリットは、

  • 同業他社の状況が分かる
  • 新規営業先のターゲット選定に役立つ(=成果が望めない業種が分かる)

わたしは派遣業界歴15年、現在も中小派遣会社に現役で勤務していますので、これが記事の信頼性の担保になると思います。

このブログをご覧いただいている方は、ほとんどが日中の忙しい時間を割いて読んでくださっているので、下記をクリックして必要な項目からお読みください。

派遣切りが始まった業種

あくまで私が把握している範囲の実態ですから、他にも影響を受けている業種は有ると思います。
逆に実体験からの「正確な情報」という事は言えると思います。

旅行、空港関連

空港内はガラガラ
旅行、空港関連は裾野が広いため分野ごとで分けました。
もう悲惨としか言いようがありません。早々に影響が出たのもこの業種です。

《ホテル系》
インバウンド激減でヒマになるのは容易に想像できると思いますが、
日本人の海外旅行も減っているので、地方から国際線に乗るための前泊や、帰国後の後泊が無くなります。修学旅行なんて国内に行き先変更されれば良い方で、それ自体が無くなると思われます。

さらに、ホテルの宴会場利用が無くなっています。
卒業式の謝恩会、業界団体や地域団体の定期総会、企業研修、学生の泊まり込み勉強合宿などは殆どキャンセルです。

そのため、派遣が多く使われている配膳スタッフ、ベッドメイキング、調理場では、2月からお幅な出勤調整が出ています。

春節の中国人ツアー客も無くなりましたが、当初は時期を変えて需要が発生すると見込んでいましたが、ここまで長期化すると期待感は無くなっています。
オリンピックも延期になったので、このまま派遣契約が終わる可能性が高いと思います。

《機内食系》
機内食盛り付け、盛り付けの下請け、機内食会社に食材を納めている業者、機内食の搭載トラックドライバーは出勤調整されています。
一ヶ月間まるまる休みという会社もあります。かろうじて契約終了になっていないのは、不人気職種のため、需要回復した際に再度採用が困難だからです。

《旅客ターミナル系》
チェックカウンター、レンタルWi-Fi、免税店、飲食店、コンビニ、高速バスなど。
次回の契約延長なし又は減員などが出ています。
もともと派遣料金が高めで、同一労働同一賃金でさらにコスト上昇したこともあり、経営層から「もう派遣は使うな」とお達しが出ているようです。

《航空貨物系》
知らない方のために補足すると、航空貨物の殆どは、旅客機下部の空きスペースに搭載して日本にやってきます。専用の機材「フレーター」もありますが、それはごく一部です。
ですから、旅客機の便数が減ると貨物も減ります。
運搬、仕分け、通関などの事務作業、貨物ではないですが「バゲージ」と呼ばれる旅客の手荷物をさばく仕事も減っています。

今までは人手不足で有給を使うヒマが無かったんで有給消化で凌いでいたり、ちゃんと会社が休業補償を出しているなど、対応は様々です。

雑貨、アパレル販売

アパレル販売
百貨店、大型商業施設、アウトレットモールなどでの販売スタッフ。
まだ「派遣切り」になっていないものの、派遣オーダーは一旦ストップになっています。
インポートブランドでは、感染爆発しているイタリア製品を扱っている販売店は入荷が遅れているとのことです。

物流倉庫

物流倉庫
この業種は単発派遣で影響が出ています。

一時期、輸入貨物の入庫遅れや、中国製の梱包資材が入ってこないために単発オーダーが減りましたが、これはすぐに持ち直しました。
しかし、現在は扱う商品によって明暗が別れています。

日用生活品雑貨の倉庫には影響はありません。むしろ「外出自粛」のため需要が増えて売れていますから派遣オーダーは減っていません。余談ですが知人が経営しているネット通販の配送業はテンテコマイらしいです。

アパレル倉庫はインパクト大。
店頭で商品が売れないので当然ながら出庫も減っており、2月3月に予定されていた春物出荷や冬物返品の検品仕分け作業も延期になっています。

某アパレルブランド倉庫では、年末は日々200人の単発スタッフを入れていましたが、3月はオーダーなし。
業界的に年末が最繁忙期とはいえ、3月もそこそこ忙しいので、この状況は有り得ません。

常勤スタッフは契約延長も取れて出勤調整もありませんが、単発派遣は昨年まで人が全く足りない状況から一変、今は希望スタッフが余る状況で8割しかアサイン出来ない状況です。

まとめ

この先、派遣社員が「割を食う」ことがないように、派遣会社は休業補償や他の派遣先紹介をしなければなりませんから、売上が減るなかで、(派遣会社では仕入れ原価にあたる)派遣社員への支給額は増えます。

その一方で派遣先企業は、派遣法改正(同一労働同一賃金)とのダブルパンチで「派遣はコストメリットが低くなり使いづらくなった」と考えているはずです。

厳しいことを言いますが、体力がない派遣会社が生き残るためには「道義的対応、人道的な対応」をしない可能性もあります。
そういった会社で働いていて、はたしてアナタは仕事にやりがいを感じていけるでしょうか?

もしアナタが「自社の将来性」に不安を感じて、転職を考える事があったら、悶々として時間だけが過ぎていくより人からアドバイスを受けることをオススメします。

実際わたしは過去に、人にアドバイスを受けた事で、モヤモヤしていたものが晴れて、インプット効率が良くなり、アウトプット(行動量)も劇的に増えまして、結果として転職に成功しました。

そのためには、まず客観的な視点からアドバイスしてくれる人に相談することが大事です。

人材紹介会社だと、中には売上しか頭にないキャリアアドバイザーもいますが、そうだんドットミーは、求人紹介が目的ではないので、キャリアアドバイザーはあなたの悩みを解決することだけを考えてくれます。

時間が一番の資産ですから、立ち止まっているくらいなら、1日だけ遊びに行くのを我慢して、行動してみるのが良いと思います。

それではまた!

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